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第十五話 魔導剣士ロイ、菜食に舌鼓を打つ

last update Date de publication: 2026-07-22 19:16:43

 昼下がりに、大過なく王都へと帰り着いた。さて、新たな仲間を加えてやることといえば、徽章きしょうの発注と、歓迎会である。徽章きしょう発注の方は手早く済ませ、お馴染み『青い三日月亭』で、宿を取り食事会と洒落込むことに。

 何ぶんナンシアの兄のこともあり、どんちゃん騒ぎをする気はないが、同じ釜の飯を食うのは団結力のアップに役立つというのが、持論のひとつ。なるべく早く、ナンシアにはパーティーに馴染んでほしいところだ。実際、ここにくるまで、どうにも会話が弾まなかった有様である。

 寝室の手配が終わると、早速食卓テーブルに着く。思えば、最初俺とサン二人だったパーティーも、短期間でずいぶん大所帯になったものだ。

「ナンシア、君が今日の主役だ。何か食べたいものがあったら、遠慮なく言ってくれ。ここの料理は、どれも絶品だ。味は保証する」

「そうですね……。菜食を食べられれば、と思います」

「ひょっとして、ベジタリアン?」

「そういうわけでもないんですけど、今日はお野菜気分、ぐらいの感覚なんです」

 なるほど。とりあえず女将さんに相談してみよう。手を上げて女将さんを呼び、今日のオーダー
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  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第八十六話 魔導剣士ロイ、西方の地タリアに赴く

     新たな得意先となった、セイブル商会。 我々の助けもあって経営を立て直しつつあり、今日は茶に招かれている。 のだが。「犬を飼われたのですか?」 デカくて黒い犬が、舌を出しながら近づいてきた。 ら、腰をカクカクと振ってくるではないか!「おい、やめてくれ! その、人馴れしてますね」「ええ。『雌犬』なのに、こうして殿方に腰を振ってしまうのです」 なんか今、「ビッチ」のところ強調しなかった!?「これ、マルコ。おすわり」 主人の命令には忠実なようで、すとんと座す。「お茶が入りました」 着席すると、幼さの残るメイドが、茶を配膳してくれる。 口に含むと、芳醇な香りが鼻腔を満たす。この間より良い茶葉のようだ。経営立て直しは伊達じゃないということか。「そういえば、彼女はなんというお名前で?」 メイドが立ち去ったので、なんとなしに尋ねてみた。「彼女ではありませんわ、彼はユコといいます」「はい? 彼?」 思わず、間の抜けた返しをしてしまう。「はい。女装させてますの」 ぽかーん。「ええと、本人の意志で?」「私との合意の上でですわ」 なんというか……。ベルさん、性癖が歪んでらっしゃらない? 彼女、もとい彼がかいがいしく働いているところを見るが、少女にしか見えんなあ。「ところで、今日皆様をお茶に誘ったのは、商談も込みでですの」「と、申しますと」「西方のタリア国で、珍しい魔物が現れるという噂を耳にしました。その素材を融通していただければと」 タリア。アハ=イシュケよりさらに西だなあ。「構いませんが、結構な長旅になります。お時間と、その、路銀を融通していただけますと」「アハ=イシュケまではテレポーターを使って構いません。そこから先の馬車代もお出ししますわ」 そりゃ、ありがたい。「珍しい魔物とのことですが、特徴はございますか?」「こちらに、ざっと」 メモを渡してくるので、拝見。……ラドニー並みに、もやっとした情報だなあ。「この情報では、確約はできかねますが」「その際は、なにか適当な魔物の素材をお願いします。西方産というだけで、それなりに価値がありますので」 ふむ。「わかりました、ではこの条件で」 握手を交わす。西方かあ、見聞を広めるチャンスだな!  ◆ ◆ ◆  そして、つつがなく到着したタリア。ここでも、

  • 女はAカップ以下の世界で! 冒険、観光、ウマいメシ!   第八十五話 魔導剣士ロイ、機転を利かすがグダグダになる

    「キマイラは炎を吐く! 気をつけろよ! 雷王……」「待ってください!」 先制攻撃をしようとした刹那、背後から声がかかる。位置的に、魔獣使いの女性だろう。「チャッピーはいうことを聞く子なんです! 殺さないでください!」 チャッピーってキマイラのことか。無駄に可愛い名前だな。いや、そんなことより。「無茶言わんでください! あなた、襲われたばかりでしょう!」「でも!」 困ったな。キマイラの生け捕りなんてできるのか?「確約はできませんよ!」 やるだけやってみようの世界だな。「強重結縛糸!」 まずは、飛行能力と機動力を封じさせてもらう!「ナンシア! 挟み撃ちにするぞ!」「了解!」 とはいっても、キマイラの頭は三つある。挟み撃ちが有効なのか不明だが。 まずは一番たちが悪い、竜の頭から攻略だ!「ボクも加わります!」 パティの声とともに、がしゃんと鎧の音が鳴り響く。「武器は!?」「ポールを手に入れました! 槍代わりにします!」「助かる!」 これで三対一。いや、頭数なら三対三か。「龍の頭は、パティに任せた! いくぞ!」 挨拶代わりに、炎のブレスがきた! これは、パティのポールで挑発し、意識をそちらに向けてもらう。ナンシアが、上手いことヤギの頭をホールドした! ライオン頭が、咆哮を上げる! ん? なんか今、違和感が……?「クコ! キマイラに命活癒術草だ!」「はい?」 突飛な指示に、変な声を出す彼女。「キマイラに命活癒術草だ! いいからやってくれ!」「ええ……? よくわからないですけど! 命活癒術草!」 キマイラの体を、淡い光が包む。……と、キマイラが大人しくなった。「なんですと!? どういうことですか!」 驚くクコ。「あいつな、虫歯だったんだ。ちらっと見えた」 呆然とする一同。「あとは、私が」 魔獣使いの女性が、キマイラを檻に誘導する。 やれやれだな。  ◆ ◆ ◆ 「いやあ、実にお見事! これはこれで、彼氏の格好の良いところが見れた、充実したデエトだな!」 クッコロさんが、拍手で迎えてくれる。「いえ、それほどのことは」「前も言ったが、デエトなのにその口調はないだろう」「あ、あ

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